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2012/4/27

次世代育成支援を考える

このコラムでは、制度や取組だけでなく、子育てに関わる様々な立場の方と制度に関わる社員が「対話する」ことで、社会の課題について「考える」ということを目的にしています。

Vol.1

「育てる」と「働く」のはざまで【前編】

SCSK
サービスウェア
株式会社
高橋 愛

SCSKサービスウェア株式会社 高橋 愛
カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社 木下 直子さん

カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社
木下 直子さん

-- 本日は、「育てる」と「働く」を両立されているお二人に、その中で考えていることなどを伺いたいと思います。
では、さっそくですが、お二人のお子さんのことについて教えてください。

木下

2010年7月出産、現在、1歳9ヶ月の女の子です。今は自己主張を始め、『イヤ・イイ』をハッキリというようになり、大変な時期になりました。なんでも「やってみたい!」時期なので、ほっておくと、やらなくてよいことをいろいろとやります。先日もほんの少し、目を離した隙にドアに手を挟んでいました。また、コトバをどんどん覚えていく時期で、昨日言えなかったコトバが今日、突然言えてビックリさせられます。

高橋

2008年7月出産、現在、3歳9ヶ月でうちも女の子です。今は物事や怒った理由など「何が、どうして、ダメなのか。」を理解できるようになり、自分でも説明できるようになってきました。でも、「自分でやりたい」と「甘えてやりたくない」という時があり、何かやってあげると『自分でやりたかったのに!』と泣き、『自分でやってね。』と言うと『できない!』と言われるわがままな時期でもあります。

-- お二人とも女の子ですが、同じ性別でも、違いはあるんですか?

木下

保育園の先生からもよく「女の子らしい、女の子」と言われます。どういう意味かというと、石橋をたたいて渡るというか、臆病な性格で慎重なタイプです。

高橋

うちは、逆に、活発で男の子のような子供ですね。

-- よく、「仕事と違って子供は思い通りにならない」といいますが、そのあたりについての考えを聞かせてください。

木下

思い通りにならなくても子供の様子を見て、次の行動が想定できるので、思い通りに動かすことはできます。例えば、『食べたくない!食べたくない!』と言われた時、『分かった。食べなくていいよ。これ、お母さんが食べるから。』というと、食べたくなるようです。なので、ある程度はこちらでコントロールができるんです。

高橋

そうなんですよね。機転を利かすと思い通りに動きますよね。ただ、大きくなってくるとその場の機転だけじゃなく、事前の準備が必要になってきますよね。

木下

そうですね。最近では、保育園に預ける時に、イヤイヤモードになることがあるのですが、保育園までの道のりで、保育園の友達の話をしてあげると、子供の頭の中がその友達と遊ぶモードに切り替わるようで、保育園に着くなり、その友達のところにまっしぐらにいくようになりました。

高橋

もちろん、思い通りにならないこともありますが、子供は素直に反応してくれるので、コントロールできたときは、仕事と同じような面白さがあります。

-- お話しを聞いていると、仕事も育児もちょっと似ているような気もしますね。

木下

そう思います!!!ある時、上司に『子育てと同じだと思って、部下に接して』と言われたことがあります。その言葉の意味が出産・育児を通してわかってきました。私は、自分だけでなく周りに対しても、仕事の成果にシビアで、言い訳も許さず、目標達成することが当たり前だと思って、接してきました。しかし、人は、子供のころから親に大切にされ、愛情を注がれ、促されてやっとできるようになって育ってきているので、そういった基本的な性質というのは、大人になっても変わらないんだと感じました。

優しくされれば、頑張れるし、愛情を与えられれば、応えようとする。逆に、嫌だと思ってしまったら、嫌なことはやらないという当たり前のことに気づかされました。それが仕事だからと言って変わることはなく、育児も仕事も同じなんだと感じました。

だから、人として接することが大切なんです。彼のために彼女のためにどうすべきかと考えて「愛情を持って」接しないと人は絶対に動かないし、成長しない、変わらないのだと気づきました。

高橋

私は出産前にマネージャーを経験した際、有期雇用のメンバーのモチベーションの維持に悩んだ時期がありました。メンバーにとって、契約期間の仕事しか見えず、仕事の主な対価が給与だけでは、意欲的に働きつづけてもらうことが容易ではないからです。そこで、プロジェクトで行っている業務の重要さや一人一人の進みたい方向に合わせたステップを提示し、成長の手助けをすることがやりがいを持ってもらう方法の一つだと気づきました。そして、その時、いつか自分が育児をする時に役に立つだろうと思いました。
実際に育児を始めて、同じ部分があるんだと実感しました。ただ、子供があまりにわがままを言うとこちらも意地になって怒ってしまうことがありますけどね。(笑)

木下

そうですよね。育児も仕事も自分も相手も「人」だから、しょうがないですよね。

高橋

決して、甘やかすのではなく、優しく接して、今、できないことでもどのような手順を踏めばできるようになるのか、そのステップを示したり、一緒に考えたりする「姿勢を見せる」ことが大切なんです。それを『あなたできるんだから、やりなさい!』『自分で考えなさい』と突き放すだけではダメなんです。そのような相手への接し方は育児も仕事も同じなんだと、今あらためて実感しています。

-- なるほど、仕事に言いかえると、ただ部下を叱咤激励するのではなく、相手と同じ目線に立って、「一緒に考える」姿勢が必要なんですね。
周りの人への接し方や、考え方については、育児をすることでどのように変わりましたか?

高橋

育児をしている、していないに関わらず、子供と接していて気づく「必ずしも人は思い通りに動かない」「できないことはできないし、どうしようもない」ことに気づいている人は一緒に仕事がしやすいですね。「できないこと」は悪いことではないということを分かってくれる人、そして、「どうしてできないか」を一緒になって考えてくれる人がパートナーや、上司だったら、お互いの成長につながると思います。

木下

『なんでできないの?』と言われるのと『なんでできないんだろうね。一緒に考えようか?』と言われるのは全く違うもので、それは、育児においても同じです。子供と接する機会の多い母親の方がこういったことに気づきやすいと思います。

-- そう考えると、もっと、男性に育児に参加してもらえたら、仕事の面でも役に立つような気がしますね。

木下

もったいないな(笑)と思います。育児に参加すると「愛される上司」になれること請け合いですし・・・
もちろん、私が育児で得た価値観をすでに持っている人も組織の中にいます。でも、もし育児に参加できる機会があるのなら、参加して欲しいなと思います。仕事にプラスになる「何か」を得られると私は思うからです。
うちの会社でも育児休暇をとった男性社員が何名かいます。母親がとる育児休暇に比べたら、短い期間ですが、話を聞くと仕事に対する価値観が180℃変わったと言っている人が多いことでも実感があります。育児は、無駄なことをやっている暇がなく、とてもシンプルで本質的なことだけを求められます。ある男性社員は、仕事に限らず、世の中の様々なことは「余計なこと」が多いと気がついたそうです。そのおかげで、仕事の場面でも、大事なことだけ、本質的なことだけに目を向けるようになったそうです。

【Profile:木下 直子(きのした なおこ)】

1997年カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社に入社。店舗・東北エリアビデオバイヤーを経て商品部に配属。そこから13年、TSUTAYA事業で仕入れ、マーケティング、プロモーション業務全般の現場から管理業務までを行う。2010年に産休を取得し休職、2011年6月に復職し、現在、かねてより希望していたネット事業部のプロモーション業務を一から学べる現場に就任し、T-IDの獲得キャンペーン企画・実施業務に従事する。(2012年5月当時)

【Profile:高橋 愛(たかはし あい)】

1999年土木設計コンサルタントに入社し、公園設計などを担当。その後、Web制作業務を経て、2001年就職活動支援サイト運営会社に入社。サイト運営、制作ディレクション業務を経験。2004年に当社に入社。情報提供サービス事業を営む顧客にて、運用業務のサポート、業務設計及びプロジェクトマネジメント業務を経験。2008年に第1子出産。約1年間の休職後、事務業務を担当し、その後、新規サービスの企画を担当。2012年に第2子出産。約2年間の休職後、引き続き育児時短を取得し、新規サービスの企画に従事する。

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