日々変化するお客様の生活スタイルを踏まえ、そもそもの製品への「気づき」から購入に至るプロセスを、ストーリーとして理解、把握したうえでの課題の明確化と戦略策定を必要としていた。
お客様が製品購入に至るプロセスを、「ビジネスコミュニケーションフロー図」に落とし込んで分析することによって、解決の方向性を明示。中長期的な戦略を踏まえた施策を提案することができた。
パナソニック様の運営するECサイト「Panasonic Store」は、パナソニック製品の販売窓口として、他ECサイトや量販店との差別化が難しい状況であった。また、お客様が製品を知るきっかけや購入までの経路など、購買行動の実態を把握できておらず、施策を講じても効果に繋がりにくかった。そのため、お客様が製品購入に至るまでにどのような行動をとるのか把握した上で課題を抽出し、ECサイト「Panasonic Store」の改善と売上向上に繋げる必要があった。
お客様とのあらゆる接点を俯瞰して確認できる「ビジネスコミュニケーションフロー図」に落とし込み、現実と理想のギャップ(違い)を「見える化」。ECサイト「Panasonic Store」の課題と改善方針を導き出した。
対象となる5つの製品ジャンルを企業に選定してもらい、関係する5つの部署に対してインタビューを実施。各部署がお客様とどのような接点を持ち、どのようにコミュニケーションをとっているのか、その特徴を明らかにした。
分析の軸として
製品
お客様の年代(30代、40代、50代)
エンゲージメント※1
の3つを定義し、これらの項目をかけ合わせて75通りの購入に至るストーリーを作成した。
※1お客様との「結びつき」のこと。ここでは、
① 見込み客(会員サイト非会員かつECストアでの購入経験なし)
② ワンタイム会員(ECサイトで初回の会員購入後は利用なし、休眠会員に相当)
③ リピート会員(2~3回の購入あり、今後ロイヤル客となる可能性の高い顧客)
の3つに分類。
実際の購入までの流れを確認するために、被験者を立て75通りの購入に至るストーリーをシミュレーションした。ECサイト「Panasonic Store」を軸に据えながら、他のECサイトや量販店なども含むお客様との接点全体におけるコミュニケーションの実態を確認した。
「実際にお客様が製品を購入するまでの流れ」と「理想的な購入までの流れ」を、「ビジネスコミュニケーションフロー図」に落とし込み、お客様とのコミュニケーションの全体を「見える化」し、現実と理想のギャップ(違い)を明確にした。
分析は、アクセス数やページ滞在時間などの数値データ、及び被験者のインタビュー結果を基に、定量・定性の両面から行った。これにより、購入するきっかけから、後押しの動機となるものなどまで浮かび上がらせることに成功。詳細に検証した。
以上の、調査・分析結果から、「興味喚起ができていない」「製品が探しづらい」など、10の課題を抽出した。
さらに、これら10の課題に対して
① 興味喚起できる接点づくり
② ユーザビリティの改善
③ 購入決断を可能にする十分な情報の提供
④ お得感の強化による決断促進
という4つの解決の方向性を示し、中長期的な戦略を踏まえて段階的な解決に繋がる施策を提案した。