Peach Aviation株式会社 様

お客さまの旅をより良いものに 多言語AIチャット導入でスピーディーな解決を実現!

マルチチャネル,DX推進,AI,呼量削減,セルフサポート


課題

  • 国際線の規模拡大に伴い、多言語の問い合わせが増加。
  • コンタクトセンターは、日本語、多言語それぞれのロケーションで運営管理していたため、オペレーションスピードに課題があった。


ソリューション

  • 日本、多言語1ロケーションでのコンタクトセンターを立ち上げ。
  • 日本語、英語など計7言語のAIチャットをホームページに導入。
  • AIチャットとコンタクトセンターのログ分析から、AIチャットの解決力を向上させる高速PDCAを展開。


効果

  • AIチャット導入3ヶ月後には1,300件/日の利用(日本語の場合)。
  • AIチャットを利用したお客さまの声を蓄積。ログ分析の結果をもとに、効果的なFAQやサイトコンテンツの公開へ。

Peachが目指すのは「アジアのかけ橋」
買って、乗って、降りるまで、楽しい旅に。

LCCとして拡大を続ける中で、アジアからのお客さまも急速に増えているそうですね。

Peachは、「空飛ぶ電車」をコンセプトに、2012年3月に就航した航空会社です。「アジアのかけ橋」を目指し、国内16路線、国際15路線と就航路線を拡大してきました。それに伴いPeachを初めてご利用されるお客さまも急増。LCCというサービス自体がまだ目新しいせいか、路線が増えるにつれて、コンタクトセンターへの問い合わせも増加していました。いかにわかりやすくサービスを提供し、お客さまの旅を「買って、乗って、降りる」まで満足いくものにできるか、これが私たちの喫緊の課題でした。

以前はどういった運用体制だったのでしょうか?

コンタクトセンターを日本語と多言語、それぞれ別のロケーションで運営していたので、情報の共有や連携というところで不便を感じていましたね。 

SCSKサービスウェアの提案は、Webに多言語AIチャットを導入し、コンタクトセンターも日本語と多言語を1ロケーションで管理するという、業界でも目新しいものでした。

図:お客さまとの接点が多いホームページに多言語AIチャットを導入

はい。「コンタクトセンター機能の一元化」は、私たちから出した希望ですが、Webとの連携も高めていくというSCSKサービスウェアの提案には、非常に魅力を感じました。多言語でのAIチャットが実現すれば、海外のお客さまが自分の母国語で気軽に質問できる環境が提供できるわけですから、お客さま一人一人の利便性が高まることにつながるのではと思いました。

実際にどういった効果が出ていますか?

やはり、いちばん変化を感じたのが、AIチャットの導入でした。お客さまが今すぐ知りたいと思ったことが、そのまま質問として打ち込めて、すぐに回答が来る。AIチャットで解決できなければ、有人チャットに切り替えて対応するシステムなので、きめ細かな対応ができていると思いますし、さらにクレジットカード決済が必要な問い合わせの場合は、コンタクトセンターの電話窓口へ誘導する画面が表示されます。有人での対応範囲を減らしながら、お客さまのご要望にはスピーディに応えられる理想的な形でした。現在、AIチャットの利用数は1,300件/日(日本語の場合)。もしも有人対応だけだったとしたら、コンタクトセンターは今よりもっと人員を増やし、大規模にしなければならなかったはずです。

多言語AIチャット導入で見えてきた、
お客さまのつまずき、不満足

AIチャットでは、問い合わせの最後に「お役に立ちましたでしょうか?」という問いかけがあるそうですね。

ええ。その回答として「はい」と「いいえ」を選択できるのですが、全体で一割前後のお客さまに「はい」とお答えいただいています。とくに荷物関係の問い合わせなどは4,000件以上も役に立ったという回答を得ました。以前のFAQでは、お客さまが疑問を解消できたかどうかまで追いかけられなかったので、お客さまが自己解決できた結果が目に見えるようになったのはとても良かったですね。

ほかに、多言語AIチャットに効果を感じている点はありますか?

そうですね。たとえば、FAQページに掲載している質問でも、お客さまが検索する際の言葉とFAQの言葉が一致しないため、お客さまが該当ページにたどりつけない場合があります。それに対してAIチャットが掲載場所を提示することで、疑問が解決することもありますし、AIチャットのログ解析から、「この表現が誤解されている」など、お客さまのつまずくポイントが見えてきて、対応方法がブラッシュアップできる。一つのシステムで7言語を管理しているからこそ、それぞれの言語ごとの正解やつまずきもわかるようになりました。

日本語と多言語のコンタクトセンターが1ロケーションで、というのも画期的ですね。その効果はいかがでしたか?

言語による入電傾向の差をリアルタイムに把握できるので、オペレーションのスピード感が違いますね。たとえば、現地の電車が止まったなどの問い合わせが一つでもコンタクトセンターに入ると、すぐ「その国に今日どう対応するか」というオペレーションを決めていくことができます。コンタクトセンター側から吸い上げた情報を元に、その国めがけて情報発信するべくFAQを更新するなどスピーディな対策がとれています。これは非常に大きなことだと思います。

図:AIチャットとコンタクトセンターの多言語、一元管理で実現した高速PDCA

すべてを1カ所で、立体的に見ることで、コンタクトセンターで解決できる業務が広がっているようですね。

はい。一元管理という意味では、コンタクトセンターがFAQページの更新をできるようにしたのも大きい変化ですね。SCSKサービスウェアからAIチャットとコンタクトセンターのログの報告と提案がデイリーで上がってきます。この「高速PDCA」と呼んでいるサイクルを回せていることが、私たちの強みになっていると思います。なにより、コンタクトセンターは生のお客さまの声が入ってくる場所です。国や文化によって質問も違えば、求められる対応も異なり、温度感も違ってきます。その一つ一つの差を学習し、FAQに反映させています。今では何か問題が起きると、各言語のオペレーターに意見を聞いて、FAQはもちろん必要に応じてPeachの公式サイトにも反映させています。自分たちの意見がFAQの改善につながっていることが目に見えてわかるので、モチベーションアップにもなっているようです。ほかには、FAQがわかりやすくなったことで、空港スタッフがお客さまからのお問い合わせにご利用いただいているとも聞きました。これもユーザビリティ向上の波及効果ですね。

それはきっと、お客さまの旅の満足にもつながりますね。

そうあってほしいですね。日本のお客さまへのサポートと、他国のお客さまへのサポートが、同じレベルで提供できていれば、他国のお客さまも不安を感じず、Peachを現地の航空会社と同じようにご利用いただけるはず。最近では、国際線のとある便で、お客さまのほとんどが海外の方だったということもあったそうで、多言語AIチャットが海外のお客さまのサポートに一役買ってくれているのなら、うれしいですね。どの国の、どの言語のお客さまであっても、「買って、乗って、降りる」まで、楽しい旅が楽しいままで終えられるようにしていきたいですね。

担当者からの一言

Peach Aviation株式会社
コミュニケーション本部

カスタマーエクスペリエンス部
カスタマーリレーション課

首藤真央さま

1ロケーションになったことで、オペレーション部門とセンターとの連携が深まりました。言葉の溝を埋めるスピードがアップしたことを日々実感しています。

Peach Aviation株式会社
コミュニケーション本部

カスタマーエクスペリエンス部
カスタマーリレーション課

課長代理 川東章浩さま

AIチャットから、さらに発展して新しいサポートをどんどん取り入れていきたいと思っています。今後もSCSKサービスウェアからの提案に期待しています。

ABOUT Peach Aviation株式会社

Peach Aviation株式会社

2012年3月に関西空港を拠点として運航を開始。現在では関西空港に加え、新千歳空港、仙台空港、那覇空港を拠点空港とし、24機の機材で、国内線16路線と国際線15路線に就航している。1日あたりの運航便数は約100便で、毎日13,000人以上の利用客を誇る。2019年度末をめどに、成田空港を拠点空港とするバニラエアと統合、アジアのリーディングLCCを目指す。

2019年4月 現在