パナソニック産機システムズ株式会社
ナレッジシステムを構築、コールセンター業務の属人化を解消して問い合わせ対応時間を短縮。マニュアル改革で新人を即戦力化。
業務効率化,属人化解消,データ活用,人材育成,コンタクトセンター
パナソニック産機システムズのコールセンターでは、約700件のマニュアル類が散在していたため、対応の手間がかかるとともに、新人教育の負担増やオペレーターの離職につながっていました。この解決策として、SCSKサービスウェアと協働し、ナレッジシステムの構築や新人用マニュアルを作成。これにより、検索時間が大幅に短縮され、お客様への回答スピードの改善や、新人オペレーター教育の効率化を実現しました。
課題
- マニュアル類が約700件と膨大。オペレーターが資料を探す時間を短くする。
- スキル習得の難しさが離職の一因であったため、新人のスキル習得を支援する仕組みを整備する。
- 情報共有がメール頼みで、情報が周知されたか把握が困難なため、周知状況を可視化する。
ソリューション
- ナレッジシステムを導入することで、情報へのアクセス速度を大幅に改善。
- 教育手順に即して新人オペレーター向けマニュアルを作成。
- ナレッジシステムに、情報更新を即座に通知する機能と既読確認機能を実装。
効果
- 探している情報に迅速にアクセスできるようになり、オペレーターのナレッジ検索時間が半減。
- 新人教育にかかる負荷を軽減し、離職率の低下を実現。
- 情報の即時共有により、情報更新時やトラブル発生時にも迅速かつ確実に周知。
マニュアルが散在し、対応に時間がかかる
事業概要と特徴について教えてください。
パナソニック産機システムズは、ショーケースや厨房機器などの食品システム機器や、空調・換気設備などを扱っており、パナソニックグループにおける業務用設備機器・システムの販売・施工・サービスを担っています。システムの設計から設置・施工、納入後の遠隔監視、保守・メンテナンスまで、ワンストップで提供しているのが大きな特徴です。お客様に長きにわたって使っていただくために、保守・メンテナンスにも力を入れています。今年からは、Webからの問い合わせ受付やボイスボット対応も開始して、さらにお客様の利便性向上に努めています。
コールセンターは、どのような体制で運営していたのですか。
コールセンターは、修理依頼や商品の入れ替え相談など、多岐にわたる問い合わせに対応しています。拠点は群馬県と福井県にあり、委託パートナーと連携し、時期により繁閑はありますが合計約130名の体制で、電話・FAX・Webによる24時間体制を敷いています。
そうした中、どのような課題を抱えていましたか?
特殊な産業機械を扱う業務の特性から、マニュアルやナレッジが散在し、オペレーターが資料を探すのに時間を要していました。ファイルの数は700近くに上り、これが新人オペレーター教育の障壁となり、習得の難しさから離職につながるケースもありました。また、冷凍庫・冷蔵庫などの機器は、商品の特性上、夏場の外気温上昇や結露などによるトラブルで問い合わせ件数が急増します。この激しい繁閑の差も、人材確保、短期間で質の高い人材教育を施す上での課題でした。
ナレッジシステムを構築し、情報を探す時間を短縮
SCSKサービスウェアを知ったきっかけや、どのようなことを委託してきたのか教えてください。
SCSKサービスウェアが当社のお客様相談窓口の業務分析をした話を聞き、その現場経験に基づく信頼から、2019年から業務用冷機器や業務用空調の問い合わせコールセンター業務を委託しました。そして2022年から3カ年計画で、当社の業務を把握しているノウハウを生かして、ナレッジシステム構築プロジェクトを協働してきました。1年目では、まず、新人オペレーター向けのマニュアルを作成しました。教育手順に即した内容にすることで、現場からも教育がしやすくなったという声が届いていますし、離職率の低下につながりました。その後、「情報の鮮度、見やすさ・分かりやすさ、探しやすさ」を要件として、ナレッジシステムの構築を進めました。
ナレッジシステムとはどのようなもので、それによってコールセンターの運用はどのような変化がありましたか。
従来の検索では、キーワードに一致するファイル名がヒットするのみで、オペレーターはそのファイルの中身全体を確認する必要がありました。しかし、ナレッジシステムでは、ファイル名だけでなく、ファイルの中身に含まれる言葉まで検索対象とします。検索結果は情報が絞られた状態で表示されるため、必要な情報がすぐに見つかり、検索時間を大幅に短縮できました。こうして業務効率を向上させ、結果的にお客様をお待たせしないことにつながりました。
構築の過程においては、SCSKサービスウェアの協力のもと、オペレーターが迷わず、できるだけ早く必要な情報にたどり着けるよう既存のナレッジを紐解き、フロー形式を取り入れるなど、分かりやすく検索できる表示方法を再構築しました。レイアウトも工夫し、フォントサイズや構成など文書のフォーマットを事前に統一する基本ルールを行い見やすさや検索性を向上させるとともに、情報が変わったときには自分たちでコンテンツの追加・更新ができるようにしています。また、情報が古くなった場合の削除ルールも含め、運用ルールを整備し、構築後も古い情報が残らないよう運用しています。
①検索時間の短縮
②オペレーターの検索成功率
ナレッジシステムのそのほかの機能について教えてください。
オペレーター全員に一斉に情報を配信・共有できる機能を設けました。資料更新時や周知させたい事項が発生したときに、メールを介さず即時共有されます。既読確認ボタンにより、管理者は情報の伝達状況を確実に把握できるようになりました。これにより、従来のメール連絡によるタイムラグが解消され、情報伝達が迅速で確実になりました。
実務に裏打ちされたノウハウに今後も期待
SCSKサービスウェアに対する評価をお聞かせください。
対応のスピードが速く、我々が投げかけたものに対して、すぐに回答いただけます。ナレッジシステムの効果を踏まえて、Webからの問い合わせ受付やボイスボット対応も提案いただき、その導入も実現しました。 単にシステム面だけではなく、コールセンター業務の現場での実務経験・ノウハウを基にした的確な意見や、俯瞰的かつ冷静な分析に基づいた提案は、説得力がありますね。
今後のSCSKサービスウェアに対する期待をお聞かせください。
コールセンター業務は、「早く正確に、ミスのない」対応が基本です。今後も、より効率的な運用や体制の構築をめざし、AIを活用するなど「人がいなくてもできます」くらいのところまで自動化が進むことが理想です。複数あるベンダーの中でも、非常に頼りになる「ブレーン」として意識しています。これからもたくさんの相談・協議のほか、新たな提案をいただけることを期待しています。
担当者からの一言

パナソニック産機システムズ株式会社
コンタクト室 コールセンター課
課長 岡崎 信一 様
ナレッジシステムの構築を通じて、ITやWeb制作の知識がほとんどなかったメンバーが、システム構築やコンテンツ制作などの知識を得ることができ、会社としても個人的にも利点でした。今後もっといろいろなことができそうだという自信がもてました。

パナソニック産機システムズ株式会社
コンタクト室 コールセンター課
関 昌子 様
オペレーター自身が回答を見つけ出せるようになり、自信やモチベーション向上につながっています。また、オペレーターが管理者に質問する回数が減り、管理者が他の業務に取り組む時間が増えています。

パナソニック産機システムズ株式会社
コンタクト室 コールセンター課
舘野 浩子 様
コールセンター業務の他の委託会社にも、新人教育マニュアルやナレッジシステムを使ってもらっています。全員が同じ情報を参照できるため、一律の品質、レベルで業務ができるようになりました。
ABOUT パナソニック産機システムズ株式会社

パナソニック産機システムズ株式会社
2009年設立。パナソニックグループにおける業務用設備機器・システムの直販・サービス・エンジニアリング会社。システムの設計から設置・施工、納入後の遠隔監視、保守・メンテナンスまで、ワンストップで提供する。
2025年10月 現在