公開日:2024年01月19日
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更新日:2024年04月18日
業務効率化ツールとして、ビジネスの現場で欠かせない存在となっているRPA。しかし、「具体的にどのような場面で使うのかわからない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
こちらの記事では、RPAの基本解説として、RPAでできることや導入のポイントについて解説します。RPAを理解することで、業務の効率化が進むきっかけとなれば幸いです。
INDEX
RPAとは
人間がPC上で繰り返し行っているマウスやキーボード操作の手順を記録して、それを高速かつ正確に24時間365日休むことなく実行できます。例えば、データ入力や集計、メールの自動送信などの繰り返し発生する作業はRPAで自動化できます。
RPAは、「PC作業の自動化ツール」といえるでしょう。
RPAを導入するメリット
RPAを導入すると、以下のようなメリットがあります。
業務効率の向上
RPAは定型的なPC作業を人間よりも速く、正確に、休むことなく行います。これにより、業務効率が格段に向上します。
ミスの削減
RPAはあらかじめ設定されたルールに忠実に従い作業を行います。これにより、人間が作業をするとどうしても発生しがちなミスも、RPAではほとんど発生しません。
人手不足の解消・人件費の削減
RPAは人間に代わって作業を行います。これにより、人手不足の解消だけでなく、それまで作業にかかっていた人件費を削減することができます。
生産性の向上
RPAによって作業が自動化されることにより空いた時間を、より創造的で価値の高い業務に充てることができます。これにより、企業全体の生産性が向上し、新しいアイデアやビジネスチャンスの創出につながる可能性が高まります。
近年、RPAを導入する企業が増加しています。その背景には、人手不足や働き方改革、日本の低生産性などが挙げられます。「業務をいかに効率化できるか」が、企業の存続や成長に欠かせない課題となっています。RPAの導入は、この課題を解決するために有効な手段の1つであり、今後ますます導入が加速することでしょう。
マクロやAIとの違い
RPAはPC上の作業を自動化するツールであることから、マクロやAIと混同することがありますが、それらとは違いがあります。
RPAとマクロの違い
RPAもマクロも、PC上での定型作業を自動化するという点においては共通しています。しかし、自動化できる範囲や、プログラムを組む難易度に違いがあります。
自動化できる範囲
RPAは複数のアプリケーションを横断して作業を自動化できますが、マクロはExcelやWordなど、主に一つのアプリケーション内の作業に限られます。
プログラミング難易度
RPAは直感的な操作でプログラミング知識がなくても使えることが多いですが、マクロはVBAなどの特定のプログラミング言語の知識が必要です。
RPAとAIの違い
RPAもAIも、労働力の一部を自動化する点は共通していますが、処理できるタスクの複雑さに違いがあります。RPAは単純なタスクのみを処理しますが、AIは複雑なデータ分析や判断が必要な作業を処理できます。
現在、AIの機能を持つRPAの開発が進んでいます。今後は、RPAによる複雑なタスクの処理や高度な意思決定の支援も可能になると予想されます。
RPAで自動化できる業務・できない業務
RPAで自動化できる業務
RPAで自動化できる業務は、定型業務です。決められたルールに沿って繰り返し行う業務や、マニュアル通りに行う業務が適しています。
例
- 伝票の入力
- 請求書の管理や発行
- データ収集や分析、レポート作成
- 自動応答のカスタマーサポート
RPAで自動化できない業務
RPAで自動化できない業務は、非定型業務です。決められたルールが無く、臨機応変な対応や意思決定が求められる業務は適していません。
例
- 企画立案
- デザイン作成
- 営業や交渉、契約
- クレーム対応
RPAでの自動化が適している業務の特徴
RPAでの自動化が適している業務には、以下の3つの特徴が当てはまります。RPAで自動化したい業務がこれらに当てはまっているか確認してみましょう。
「標準化」できる
業務手順やルールが明文化されている作業。
チェックポイント
- 作業手順や業務ルールが明確に決まっている
- 例外処理・分岐処理の判断基準・選択肢が明確に決まっている
「単純化」できる
人の判断や、例外処理が少ない単純作業。
チェックポイント
- 単純作業の繰り返しである
- 例外処理・分岐処理が少ない
- 処理の滞留が起こりにくい
「機械化」できる
インプットからアウトプットまで、全てデータ化されている作業。
チェックポイント
- PCでアプリケーションを処理する
- テキストデータやイメージデータを扱う
RPAツールの選定ポイント
RPAツールを選定する際には、以下の3つのポイントを確認してみましょう。
どこで使うか(使用環境)
RPAツールは、クラウド型、サーバー型、デスクトップ型の3つの提供形態があります。使用したい環境に合わせて選定しましょう。
クラウド型
クラウド上で利用するタイプのRPAツールです。専用のサーバーを用意する必要がないため、初期費用を抑えられる傾向があります。また、システムのアップデートは自動で行われるので、初心者でも利用しやすいといえます。
ツール一例
- UiPath
- AUTORO
- BizRobo!
サーバー型
企業などの内部ネットワーク上にあるサーバーにインストールして利用するタイプのRPAツールです。データを内部ネットワークに保管し、監視や制御ができるので、厳重なセキュリティ管理ができます。また、大量のデータを扱えるので、大企業での導入に適しているといえます。
ツール一例
- UiPath
- WinActor
- Automation Anywhere
- Blue Prism
デスクトップ型
個々のPCに直接インストールして使用するタイプのRPAツールです。PC1台から利用できるので、個人の作業の自動化に適しているといえます。
ツール一例
- UiPath
- Microsoft Power Automate Desktop
- WinActor
いくらかけるか(費用)
初期投資や継続的なコストを考えて、企業予算に合ったツールを選びましょう。長い目で見た投資効率(ROI)も重要です。
どんなことに使うか(機能・使いやすさ)
自動化したい業務を簡単に設定できるか、日々の操作が直感的に行えるかをチェックしましょう。自社の既存システムと上手く連携できるかも大切なポイントです。
RPAツール導入後の流れ
自動化したい業務に適したRPAツールを導入した後の、一般的な流れについて解説します。
ロボットの開発
検証環境やシステム間の連携を十分にテストしながら、業務を自動化させるためのロボットを開発します。
運用ルールの作成
RPAはプログラミングスキルが無くても気軽に利用できます。一方、各々が自由にロボット開発や運用を行うと、管理が行き届かずにセキュリティが低下するなどのリスクが高まります。そのため、ロボット開発、テスト、運用といったフェーズごとにルールを定める必要があります。
定期的なメンテナンス
RPAはOSの更新や連携システムの改修で動作しなくなることがあります。そのため、定期的な点検やメンテナンスを行う必要があります。
効率よくRPA化を進めるためには
効率よく業務のRPA化を進めるためには、RPAを利用できる社内人材の育成や、運用の外部委託も検討しましょう。
当社では、企業のRPA化を支援するサービスを提供しています。また、社内人材を育成する実践的なトレーニングも提供していますので、お気軽にお問い合わせください。
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